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【釜石市民の想い】

活動報告

【釜石市民の想い】

こんばんは。

市議会初当選7人の議員は、政策勉強会『文喜会(喜=七が三箇の漢字)』という会を立ち上げています。

市政発展のために、新人である我々が学ばなければならないもの、必要と思われる政策を考え見出すために、会派も政党も越え研鑽を積んでいるものです。

講師による研修会、管内視察など議会毎に行い、早いもので任期の半分を終えようとしています。

その『文喜会』で一昨日と昨日、管外視察研修を行ってきました。視察場所は、“防災教育”の先端都市岩手県釜石市です。

釜石市は、大震災の津波による死者・行方不明者が1000人を超しました。

その中において小中学生は、奇跡的に全校児童生徒99.8%にあたる2921人が津波から逃れることができました。

この命を救った背景には、数年来続けてきた防災教育があり、『釜石の奇跡』と言われたのは記憶に新しいところです。

防災教育のバックボーンはなんだったのか?なぜ、この教育に力を入れたのか?どのような教えをしているのか?等々。

具体的には、中学校の数学課程で「津波の速度は、秒速○○mです。海からA君の家までは△△m。では、津波が家に到着するまでは何秒かかるでしょう?」など、具体的に身近に感じる問題などを解いているのです。もちろん、津波の歴史やメカニズムなども。

そこには、先祖代々古より伝わる津波へ教訓がありました。

「津波が来たら、取る物も取らず、家族も構わずに、各自てんでんばらばらに高台へと逃げろ」という『津波てんでんこ』『命てんでんこ』の教えと、明治・昭和の津波を記刻した石碑です。

なるほど!この環境なら危機意識の下に防災教育が生まれる!だからこそ、『釜石の奇跡』が起こり得たものだと…。

しかし、私の思いとは裏腹に、教育委員会担当者の言葉が胸に突き刺さりました。

釜石市民としての想いの言葉…。

「『釜石の奇跡』と脚光を浴びよく言われますが、生存率99.8%の裏には小学生3名、中学生2名、公立幼稚園児3名の亡くなった命があります。私達は、この8名の尊い命がある限り奇跡だとは思ってません。視察等で来ていただく皆様にも、決して奇跡という言葉を使っていただきたくはない。」

本当に重い言葉でした…。

マスコミに取り上げられ脚光を浴び、多くの人が注目してくれる。しかし、その影にあるものを私は見ていなかった。

“奇跡”という言葉のみしか目を向けなかった。反省しました…。

奇跡というなら、生存率100%なのです!子供達全員が助からなければ、奇跡ではないのです。

震災から1年8ヵ月。
震災遺児・片親を失った子供は、54名。
時間とともに恐怖がよみがえり、不安になる子供も増えてきた現状。

「心のケアをしながら不安を与えない『防災教育』を、時間をかけながらより活かすものにしていかなければならない。」

この想いが、後世に『明治・昭和・平成の津波』として伝承され、尊い命を守っていくのだと確信しました。

そして我々も、決して忘れてはなりません…。

想いが入り、長くなってしまいました。
良き週末を。おやすみなさい♪